遺留分侵害額請求とは
遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の相続財産の取得割合です。
遺留分が認められるのは、被相続人の配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属などです。兄弟姉妹やその代襲相続人には遺留分はありません。
遺言や生前贈与によって遺留分が侵害された場合、遺留分権利者は、財産を取得した人に対して、侵害額に相当する金銭の支払いを請求できます(民法1046条)。
遺留分侵害額請求の相手方
請求の相手方は、原則として、遺留分を侵害する遺贈や生前贈与を受けた人です。
例えば、父が「すべての財産を長男に相続させる」という遺言を残し、次男の遺留分が侵害された場合には、次男は長男に対して遺留分侵害額請求を行います。
請求相手が複数いる場合には、民法1047条に定める負担の順序や割合などを考慮する必要があります。
なお、遺言執行者が選任されている場合でも、遺言執行者だけに請求すればよいとは限りません。原則として、金銭支払義務を負う受遺者・受贈者等に対して請求することが重要です。
遺留分侵害額請求の期限
遺留分侵害額請求権には、次の期間制限があります(民法1048条)。
① 1年間の消滅時効
相続の開始と、遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間、権利を行使しないと時効によって消滅します。
② 相続開始から10年間
遺留分の侵害を知らなかった場合でも、相続開始から10年を経過すると、遺留分侵害額請求権は消滅します。
そのため、遺留分の侵害が疑われる場合には、早めに対応することが大切です。
遺留分侵害額請求の方法
遺留分侵害額請求は、必ずしも裁判を起こす必要はなく、相手方に対する意思表示によって行うことができます。
ただし、後日、請求した事実や時期を証明できるように、配達証明付きの内容証明郵便を利用する方法が一般的です。
遺留分侵害額が確定していない場合でも、請求の意思表示を先に行うことが重要です。
なお、請求権を行使した後に発生する金銭債権については、別途、消滅時効などの問題が生じるため注意が必要です。
遺留分侵害額請求に関する注意点
遺留分の算定には、不動産の評価、生前贈与、特別受益、相続債務などが関係するため、計算が複雑になる場合があります。
また、相手方との交渉や調停・訴訟が必要になる場合には、弁護士への相談が適切です。
小野瀬行政書士事務所では、相続財産の調査や不動産に関するご相談に対応し、法律紛争については弁護士等の専門家と連携してご案内します。