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遺産分割・遺産分割協議書について

遺産分割・遺産分割協議書

□遺産分割・遺産分割協議書とは
□遺産分割の対象財産
□遺産分割における配偶者の保護
□配偶者居住権
□配偶者短期居住権
□遺産分割の行為能力・手続き行為能力等
□行方不明者と認知症等
□特別代理人等
□相続人に不在者がいる場合の法定代理人
□相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合の申告
□遺言と遺産分割協議の関係
□遺産分割協議書作成の注意点

遺産分割・遺産分割協議書とは

遺産分割とは、遺言で取得財産が包括的に定められている場合や、遺言書が無い場合は、遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して財産を分けることを言いい、その協議を遺産分割協議といいます。
遺産分割に関して共同相続人間で合意が成立した場合には、その協議内容を証明するため、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書には共同相続人全員が署名・押印をしなければなりません。
全員が集まって一度の機会に作成・署名・押印する方法でも、持ち回りで相続人がそれぞれ署名・押印する方法でも、相続人全員が記載内容を承認して署名・押印すれば、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議書の効用としましては、遺産の中に不動産がある場合は、遺産分割協議書は「相続を証する書面」となり、協議書によって相続による取得登記ができます。
登記以外にも、被相続人名義の預貯金の名義書き換えや相続税の申告の関係などにも遺産分割協議書が必要とされる手続きがあります。

また、遺産分割は協議がまとまらない場合他の方法による分割があります。

調停による分割
分割協議がまとまらないときや協議ができないときは、各共同相続人は家庭裁判所に分割を請求できます。
分割の申立ては、調停手続きの申立てによってなされます。いきなり遺産分割の審判の申立てもできますが、遺産分割の審判申立てがあっても、まず調停手続きに付し、話し合いによる解決を試みるのが一般的です。

審判による分割
遺産分割調停が不成立となった場合に審判手続きに移行します。
審判分割においては、家庭裁判所の裁判官が、遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況その他一切の事情を考慮して各相続人の相続分に反しないように分割します。

また、特別の事情がある場合には、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部または一部について、分割を禁止することができます。金銭の支払い、物の引渡し、登記義務の履行その他給付を明する審判は、相手が任意に履行しない場合、これに基づいて強制執行ができます。


遺産分割の対象財産

民法の原則は、被相続人が相続開始時に有していた権利義務を、一身専属的なものを除いて全て相続人に承継させるというもので、被相続人の死亡時の財産は、所有権などの物件だけではなく、債券、債務、無体財産権その他財産上の法的地位といえるものは、一身専属的なものでなければ全て相続の対象になります。しかし、相続の対象となる財産がすべて遺産分割協議の対象となるわけではありません。
遺産分割は、いうまでもなく、相続人が複数いる場合に、相続人らの共有となっている相続財産を、共同相続人間で分けることです。
そして、遺産分割の対象となる財産とは、どのようなものでしょうか?

遺産分割の対象とすることに問題が無い財産
●不動産の所有権
●不動産の賃借権
●現金
●預貯金(最高裁平成28年12月19日決定)
●国債
●株式
●投資信託受益権
●社債

当事者全員の合意があれば遺産分割の対象にできる財産
●土地の使用貸借権(建物所有目的の土地の使用貸借)
●不動産の占有権
●協同組合の出資金
●遺産から生じた果実
●代償財産

遺産分割の対象とはなり得ない財産
●生命保険金
●死亡退職金
●遺族年金
●香典
●葬式費用
●相続債務

遺産分割における配偶者の保護

民法が改正され令和元年7月1日から施行されておりますが、相続法分野の改正では、配偶者の保護のため、遺産分割において一定の要件を満たす配偶者に対する生前贈与や遺贈を考慮しない方策が講じられました。

どういうことなのかというと、
配偶者に対する「持戻し免除の意思表示」の推定です。
遺産分割では、一般的に、相続人に対する遺贈や贈与があった場合、遺産の前渡しと考えて、贈与等の対象財産を相続財産とみなして、相続人の法定相続分を修正します。(これを「持戻し」といいます)
しかし、被相続人が贈与等について反対の意思表示をしたときは、持戻しは行いません。
そこで改正民法903条第4項は、婚姻期間20年以上の夫婦の一方が、他の一方に対して、その居住の用に供する建物またはその敷地を遺贈または贈与したとき(配偶者居住権の遺贈を含む)は、被相続人がその贈与等について持戻し免除の意思表示をしたものと推定することとしました。
このような贈与等は、被相続人が配偶者に対し、その生前の貢献に報いる趣旨や、被相続人亡き後の生活保障を厚くする趣旨で行ったもので、「持戻し」をする意思表示がないものと通常考えられ、また、配偶者の生活保障を充実させる政策目的とも合致すると言えるためです。

例えば、被相続人所有の1億円のお家があります。
生前にお家の持分の2分の1(5,000万円相当)を婚姻期間20年以上の奥様に生前贈与したとします。

民法改正前に相続が発生して奥様と子が遺産分割協議の際に持戻しをした場合、
相続財産  持分1/2(5,000万円)
生前贈与分 持分1/2(5,000万円)
みなし相続財産は1億円となり、法定相続分は奥様1/2・子1/2なので相続したお家を奥様の持分1/2(5,000万円)・子の持分1/2(5,000万円)で共有する遺産分割になっていました。

しかし、配偶者に対する「持戻し免除の意思表示」の推定により持戻し免除で遺産分割協議をすると
生前贈与分の奥様持分1/2(5,000万円)は持戻し免除により遺産分割の対象外となります。
つまり相続財産である持ち分1/2(5,000万円)を奥様1/2・子1/2で相続することになり、奥様持分1/4(2,500万円)・子持分1/4(2,500万円)という遺産分割になることとなります。
結果、奥様は持分が1/2+1/4=3/4(7,500万円)
子は1/4(2,500万円)
という結果になります。

配偶者居住権

民法の相続分野が改正され、令和2年4月1日から配偶者の居住権を長期に保護するための方策(配偶者居住権)が講じられました。

【配偶者居住権の成立要件】
配偶者は、以下①②を満たす場合に居住用建物の全部について、原則として配偶者の終身の間、無償で使用および収益する権利(配偶者居住権)を取得できます。
①配偶者が相続開始の時点で、被相続人の財産に帰属した建物に居住していたこと。
②次のいずれかに該当する事
・遺産分割で配偶者居住権を設定したとき
・配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき
・家庭裁判所の審判で配偶者居住権を設定したとき

【配偶者の権利義務】
 配偶者は、善良な管理者の注意をもって、居住用建物を使用収益しなければなりません。(改正民1032 Ⅰ)
また、配偶者居住権は譲渡できません。(同Ⅱ)
建物所有者の承諾を得なければ、改築・増築をしたり、賃貸等により第三者に使用させたりすることができません。(同Ⅲ)
 配偶者は、居住用建物の必要な修繕をすることができます。(改正民1033 Ⅰ)配偶者が相当な期間内に修繕しないときは、所有者が修繕することができます。(同Ⅱ)
 居住用建物の通常の必要費は配偶者が負担します。(改正民1034 Ⅰ)通常の必要費以外の費用を配偶者が支出したときは居住用建物の所有者が償還しなければなりません。(同Ⅱ)

【居住用建物所有者の義務】
所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対して、その設定の登記を備えさせる義務を負います。(改正民1031 Ⅰ)
登記を備えた配偶者は、居住用建物に物件を取得した者その他の第三者に対して対抗することができ、占有を妨害する第三者に対しても妨害排除を請求でき、居住用建物を占有する第三者に対して返還を請求することができます。(同Ⅱ)

【配偶者居住権が消滅する理由】
①遺産分割協議、遺言、または遺産分割の審判において、別段の定めをしたとき。
②配偶者が用法の順守義務に違反し、または居住用建物を許諾なく、改築・増築もしくは第三者に使用収益させた場合において、所有者が相当な期間をもって是正を勧告したがその期間内に是正がされず、所有者が配偶者に配偶者所有権の消滅を通知したとき。

これまで、配偶者が住み慣れた自宅に住み続けるためには、その自宅を相続するか、その自宅を相続した者との間に賃貸借・使用貸借などの契約を締結する必要がありました。
配偶者が自宅を相続する場合は、不動産価格の高騰で、配偶者が自宅以外の財産(預貯金)を取得できず、その後の生活に支障をきたしたり、相続した者との賃貸借・使用貸借については必ずしも契約できるとは限りませんでした。
そこで、改正法では、配偶者が従前からの居住用建物を使用し続けられれば十分というニーズにこたえるため、遺言や遺産分割において、配偶者居住権を設定できるようになったのです。

配偶者短期居住権

民法改正の相続分野で配偶者短期居住権が新設されて令和2年4月1日から施行されています。

例えば、被相続人が配偶者の居住建物を第三者に遺贈するなど、被相続人が自己の死亡後も配偶者にその建物に居住させる意思があったとは認められない場合には、最高裁の判例からすると配偶者は保護されません。
そこで配偶者の居住権を短期的に保護するために配偶者短期居住権の規律を設けたわけです。

【配偶者短期居住権の成立要件】
配偶者は、相続開始のときに遺産である建物に無償で居住して・いいた場合、2つのパターンに応じて、それぞれの期限まで配偶者短期居住権を取得します。
①居住建物が遺産分割の対象である場合、下記ア・イのいずれか遅い日までの間、存続します。
ア)遺産分割による居住建物の帰属が確定した日
イ)相続開始のときから6か月を経過した日
②前記①以外の場合
配偶者以外の相続人やその他の第三者が、遺贈などにより居住用建物の所有権を取得した場合、居住建物の取得者は、いつでも配偶者に対して申し入れることができ、その場合、配偶者の配偶者短期居住権は、遺産である居住建物の取得者から申し入れがあった日から6か月を経過した日までの間、存続します。

【配偶者短期居住権の権利義務】
「配偶者の権利義務」
配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって居住建物を使用収益しなければなりません。また、建物所有者の承諾を得なければ居住建物を賃貸等により第三者に使用させて利できません。
そして配偶者は、居住建物の使用収益に必要な修繕をすることができます。配偶者が相当の期間内に修繕をしないときは、居住用建物の所有者が修繕することができます。
居住建物の通常の必要費は、配偶者が負担しますが、配偶者が居住建物に通常の必要費以外の費用を支出したときは、居住建物の所有者が配偶者にその費用を償還しなければなりません。

「居住建物所有者の義務」
所有者は、配偶者短期居住権について、その登記を備える義務はありません。しかし、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により、配偶者の居住建物の使用を妨げてはなりません。

【配偶者短期居住権の消滅】
配偶者短期居住権は期間が経過したときに消滅しますが、それ以外に以下3つの場合に消滅します。
①配偶者が居住用建物の用法遵守義務に違反し、居住用建物所有者が配偶者に対し、その消滅を通知したとき
②配偶者が遺産分割・調停・審判において、配偶者居住権を取得したとき
③配偶者が死亡したとき

相続が発生すると配偶者が追い出されてしまうことがあるのですね。
そんなことが起きないように遺言書などの生前対策をしていることがとても大切です。
残念ながらそういった事例があるから配偶者の居住権を短期的に保護するためにも配偶者短期居住権の規律を設けられたのでしょう。

遺産分割の行為能力・手続き行為能力等

遺産分割は法律行為であるため遺産分割に関する法律行為を行うためには当該相続人に行為能力が必要です。そして遺産分割に関する手続きを行うためには当該相続人に手続行為能力が必要です。

行為能力とは、単独で完全に法律行為をなし得る法律上の資格又は地位を言います。
また、手続行為能力とは、当事者として単独で家事事件の手続きにおける手続き上の行為をすることができる能力を言います。これは手続法上の行為能力というべきものであり、その有無は民法上の行為能力を基準として決定されるのが原則となります。
この行為能力及び手続き上の行為能力に制限がある者として、民法上は、①未成年者、②成年被後見人等について規定されています。

未成年者について
年齢的な未成熟によって、ある程度の判断能力を具えていないとし、未成年者保護の観点から、行為能力及び手続行為能力が一律に制限される。
成年被後見人等
現代において判断能力が不十分な者もできるだけ通常人と同じ生活を送ることが望ましいと考えられ、自己決定権が尊重されています。
そこで、本人保護と自己決定権の尊重の調和の観点から、成年後見制度を設け、その判断能力に応じて、行為能力・手続行為能力を制限しています。


では、遺産分割協議において、この行為能力・手続行為能力に制限がある相続人とはどのような場合になるのでしょう。

1.親権者のいない未成年者⇒未成年後見人が代理する
2.成年後見開始状況の成年被後見人⇒成年後見人が代理する
3.事理弁識能力が著しく不十分な相続人
  ⇒法定成年後見制度の利用(成年後見開始後・保佐開始後・補助開始後)
4.任意後見契約を締結した相続人
  ⇒任意後見契約に遺産分割の代理権が付与されている場合、任意後見人
  ⇒任意後見契約に遺産分割の代理権が付与されていない場合、再度代理権を付した任意後見契約を結ぶか、法定後見制度の利用
  ⇒本人と任意後見人の利益相反の場合、任意後見監督人が本人を代理。ただし、任意後見契約にそもそも遺産分割の代理権が付与されていない場合は前記のとおりとなります。

行方不明者と未成年者と認知症

遺産分割協議には相続人の全員の合意が必要です。
相続人の中に次のケースに該当する者がいる場合には、注意が必要となります。

【相続人の中に行方不明者がいる場合】
①行方不明の場合
不在者財産管理人を家庭裁判所で選任することになります。
そして、不在者財産管理人が遺産分割協議をする場合は、権限外行為に該当するため、家庭裁判所の許可があわせて必要となります。
また、家庭裁判所への申請のほかに不在者財産管理人への報酬が必要となります。

②7年以上生死不明の場合
失踪宣告を家庭裁判所に請求し、認められれば、通常の場合生死不明から7年経った時点で死亡とみなされます。
その死亡擬制(死亡とみなすこと)の時点が被相続人の相続より前の場合には、子または兄弟姉妹相続の場合、代襲相続の問題となります。

【相続人の中に未成年者がいる場合】
①未成年者と親権者が利益相反の場合
家庭裁判所に特別代理人の選任を請求することとなります。

②未成年者と親権者が利益相反していない場合
親権者が未成年者の法定代理人として遺産分割協議に代理することとなります。
例えば、祖父の相続で、父親が以前に死亡しているため未成年者が代襲相続人となった場合、未成年者とその母親(相続人では無い)は利益相反にはなりません。

【相続人の中に認知症の人がいる場合】
①成年後見制度を利用している場合
ア)後見人と被後見人が利益相反の場合
後見監督人が選任されていれば、後見監督人が被後見人を代理します。後見監督人が選任されていなければ、特別代理人を家庭裁判所で選任します。
イ)後見人と被後見人が利益相反していない場合
後見人が被後見人を代理します。
ウ)任意後見制度の場合
任意後見契約の中で任意後見人に遺産分割協議を代理する権限が与えられていれば、任意後見人が代理します。ただし、任意後見人と被任意後見人の利益が相反している場合には任意後見監督人が代理します。

②成年後見制度を利用していない場合
遺産分割協議時の意思能力の問題となります。遺産分割時に意思能力が無いことが証明された場合は遺産分割協議は無効となります。遺言で各相続人に遺産を指定しておけば、遺産分割協議をせず、円滑に財産分けが可能です。


【ポイント】
前記の場合には、不在者財産管理人、特別代理人、後見人の選任に時間がかかります。また、代理する相続人の法定相続分を十分に考慮しなければならず、遺産分割が円滑に進まない場合がありますので、このような場合生前対策として、遺言により遺産分割方法を指定することが大切になります。

特別代理人等

遺産分割協議において特別代理人等を必要とする場合が多々あります。
相続人が未成年者とその親権者で利益相反している場合や、後見人と被後見人で利益相反している場合などです。

例えば、

親権者と未成年者あるいは同一親権に服する複数の未成年者が共同相続人の場合

親権者と親権に服する未成年の子の間で、親権者が公正な親権の行使を期待することができない。
つまりこの利益相反状態については、裁判所が選任した特別代理人が親権者に代わって子の手続きを代理することとして利益相反状況を解消し、もって未成年者の保護を図ります。

後見人と本人(成年被後見人)が共同相続人の場合

未成年者と親権者との間の利益相反行為と特別代理人選任に関する民法第826条を後見人にも準用しています。ただし、後見監督人が選任されている場合はこの限りではないと定められているので、後見監督人が選任されている場合は後見監督人が成年被後見人を代理します。
後見監督人が選任されてなく、後見人と成年被後見人に利益相反がある場合に特別代理人が成年被後見人を代理します。

家事事件手続法19条による特別代理人の場合
⇒未成年者又は成年被後見人に法定代理人がない場合や、法定代理人が代理権を行うことができない場合で、家事事件の手続きが遅延することにより損害が生じるおそれがあるときは、利害関係人の申立て又は職権で裁判長が特別代理人を選任できます。
前記①②の根拠法は民法という実体法ですが、この場合の特別代理人は言葉は同じでも家事事件の手続遅滞を避けるために家事事件手続法に基づいて選任される特別代理人ということになります。

要は、未成年者や成年被後見人等と、その法定代理人が共同相続人となり利益が相反するときは、裁判所に申し立て特別代理人を選任してもらわないと遺産分割協議ができませんよ。ということです。

相続人に不在者がいる場合の法定代理人

不在者とは、従来の住所または居所を去り、容易に帰来する見込みがないものをいいます。生死不明は要しません。
不在者の財産管理人は、
不在者があらかじめ委任した場合
不在者が委任しなかったため、申立てにより家庭裁判所が管理人を選任する場合
があります。
なお、不在者に成年後見人がある場合は成年後見人が、未成年後見人がある場合は未成年後見人が法定代理人として財産管理を行うため、不在者財産管理人の選任は必要ありません

不在者管財人は「権限の定めのない代理人」ですから、その権限は保存・改良行為等に限られます。これを超える行為は不在者の利益を守るため、家庭裁判所の許可を得て行わなければなりません。
遺産分割協議も権限外行為となるため許可を得て行わなければならず、その内容の相当性が家庭裁判所でも審査されます。
特に、法定相続分が確保されているかが1つの基準となりますが、不在者の帰来可能性が少ない場合、共同相続人の支払い能力も考慮して、不在者が帰来した時に不在者に対する代償金の支払いを約する債務負担方式の「帰来時弁済型」の遺産分割協議を検討することも考えられます。これにより、管理財産消滅として財産管理人選任を取消し、事件をいわゆる「管理終了」に向かわせることもできます。
逆に実際の財産を相続した場合は、財産がなくなるか、失踪宣告等まで不在者の財産を管理しなければならず、管理人は1年に1度程度は家庭裁判所に報告を挙げ続けることとなります。

相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合の申告

【申告及び納付】
申告期限までに遺産の分割がまとまらない、いわゆる「未分割」であるためそれぞれの相続人の取得財産が確定していない場合があります。このような未分割の場合において相続税の申告及び納税を延期することは、相続人間の個別事情にゆだねられることが大きい遺産分割の成否によって、相続税の実質負担が左右されることとなり、課税の公平を保つことができません。
したがって、未分割の場合であっても民法の相続分または包括遺贈の割合により、取得した相続財産の価格及び承継債務の金額を計算し、原則通り被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に、相続税の申告及び納税をしなければならないこととされています。

【優遇既定の不適用】
未分割の申告を行う場合には、減税効果の大きい「小規模宅地等についての課税価格の計算の特例」や、「配偶者の税額軽減の特例」などを適用することができませんので注意が必要です。
ただし、原則として申告期限から3年以内に遺産分割がまとまった場合には、これらの特例を適用して再申告等をすることができます。

【分割がまとまった場合の再申告等】
未分割にて申告を行っていた場合において、その後、遺産分割がまとまった場合には、実際取得した財産などに基づき相続税額を再計算して再度申告のうえ、申告額の再調整をすることができます。
当初申告した相続税額よりも実際の分割に基づく相続税額のほうが多い場合には「修正申告」のうえ、差額を納税します。逆に、当初申告した相続税額よりも実際の分割に基づく相続税額のほうが少ない場合には、分割のあったことを知った日の翌日から4カ月以内「更正の請求」を行って、差額を還付してもらうことができます。

遺言と遺産分割協議の関係

【遺言執行者がいない場合】
相続人全員の同意があれば、遺言と異なる遺産分割をすることも可能です。
遺言どおり分割することが、税務上の不都合を生じさせたり、相続人間の争いを生じさせたり、自筆証書遺言の場合、遺言の不備により直ちに遺言内容を実現できない場合があります。そのような場合は遺言が存在しても遺産分割協議をする意義があります。

【遺言執行者がいる場合】
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の権限を有しており、相続人は遺言執行を妨げることができません。したがって、遺言執行者は、相続人の意向にかかわらず遺言を執行できます。
もっとも相続人全員(受遺者がいれば受遺者も含む)が遺言と異なる遺産分割協議を行うことを望んだ場合、遺言執行者がそれに同意すれば、その処分行為は有効であると考えられます。

遺産分割協議書作成の注意点

【遺産分割協議書作成】
遺産分割に関して共同相続人間で合意が成立した場合には、その協議内容を証明するため、遺産分割協議書を作成しておくべきです。
遺産分割協議書には共同相続人全員が署名・押印しなければなりません。

【遺産分割協議書の効用】
遺産の中に不動産がある場合は、遺産分割協議書は「相続を証する書面」となり、協議書によって相続による取得登記ができます。
登記以外でも、被相続人名義の預貯金の名義換えや相続税の申告の関係などにも遺産分割協議書が必要とされる手続きがあります。

【遺産分割協議書作成上の注意点】
①誰がどの遺産を取得するのかを明記する必要があります。取得すべき遺産については、それを特定できる事項を記載します。
②住所の記載は、住民票や印鑑証明に記載されている通りに記載します。
③捺印は印鑑証明書を添付し、実印を用います。
④作成する通数は、各相続人が一通づつ所持できるように、相続人の人数と同じ通数を作成するようと良いでしょう。
⑤代償金による調整がある場合には、その金銭授受が遺産分割の一環としての代償金であり、贈与ではないことを明確にするために、同協議書に明記します。

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