相続手続きの相談窓口

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不動産相続の事前対策が必要な理由【相続手続きの相談窓口】

超高齢社会の現実と方向性


【日本の人口は今後の40年で30%減】
統計学の中で人口推計ほど正答率の高い指標は無いと言われております。
なぜなら、人口に関する基礎的統計データの重要な部分に占める女性の数がほとんど確定しているからです。
その国の人口を維持する特殊出生率(人口置換水準)は2.07です。両親(2人)が2人以上の子供を出産し続ければ人口は減少しないのです。
日本は1974年をピークに、それ以降は人口置換水準の2.07を割り続け、現在は1.4前後をうろついています。
そのうえ、特殊出生率の計算の対象となる15歳から49歳までの女性人口は減少し続けています。
女性人口×出生率という掛け算の2つの乗数項目が下がり続けているというわけです。
15歳未満人口はさらに減り続けています。つまり、この層が特殊出生率の対象となる15年後以降に出生数が増加することはほとんど不可能なのです。
2018年の出生数は92.1万人です。3年連続の100万人割れで、2019年1月1日現在の日本の人口は1億2477.6万人となっています。統計のある1899年以降で最少の出生数でした。同時に、死亡数は戦後最多の136.4万人だったため、44.3万人の自然減になったのです。
2050年の日本社会が1億人を割り込むことが確実ということがわかると思います。
もちろん、国の人口は自然増減だけではなく社会増減によってもあ明な変化を及ぼします。したがって、今後は移民の受け入れなどの政策転換があれば変化します。アメリカなどマンハッタンを移民受け入れ特区にしたことで一気に人口増加を成し遂げ、2007年には3億人を突破し、2050年には4億人を超えると言われております。
日本社会では2018年に16.9万人増加し過去最高の266.7万人となり、初めて全人口の2%を超えたのです。
ただ、日本社会では出生数が減少していくのに対して死亡者数は増加していきます。2002年までは年間100万人に満たない死亡者数が年々増え続け、2016年では130万人を突破しました。高齢者の増加とともに死亡者数も増加していくわけです。
そのため、日本の人口は減少を続けます。
今後40年間で30%も減少するのです。
40年で3000万人ですので、1年平均では75万人になります。もちろん、当初は数万人の減少から始まり、2050年頃には年間100万人前後の減少になるわけです。島根県の人口(67.96万人:2018年)をはるかに上回る人口が毎年減っていくのです。

【超高齢社会の現実】
ところが、高齢者だけは当分増え続けます。高齢者とは65歳以上を言いますが、日本では既に2018年で3550万人を超え、総人口の28.1%になっています。
高齢者が総人口の7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。
日本は世界トップの超高齢社会に突入しており、今後2065年の38.4%(2.6人に1人以上が65歳以上)という社会に向かっていきます。
ただ、高齢者が急増するわけではありません。なぜなら2065年の高齢者は3381万人ですので、現在より3.5%増に過ぎません。これは人口の減少により相対的に高齢者の人口比率が増加するということです。
超高齢社会という視点をさらにわかりやすく理解するためには、もう一つの視点が必要になります。2018年10月1日の65歳以上の高齢者人口は3558万人ですが、そのうち男性人口は1546万人、女性人口は2012万人であるという視点です。
つまり男性43に対して女性57の割合であるということです。

【女性高齢社会】
高齢社会といっても高齢女性の社会であるというのが一つの切り口です。平均寿命(2018年)は81.25歳に対して、女性は87.32歳と約6歳の差があります。65歳以上からの人生で見ると、男性16歳、女性22歳と女性は約40%も寿命が長いのです。
これは平均寿命(2018年)でも同様で、65歳時点では男性19.70歳、女性24.50歳と女性の方が長く、さらに毎年伸び率も女性が上回っています。
もう一つの視点は、女性人口6490万人のうち高齢者人口が2012万人のため、女性人口の高齢化率は31%を占めているということです。高齢者人口の増加ということは、高齢女性の増加ということであり、相対的な人口構造の上からでは女性の高齢化率はさらに伸びていくことになります。
厚生労働省の人口問題研究所は2075年の100歳以上の人口を72万人と予想し、これが100歳以上人口のピークと考えているようです。男女比にさほど変化がなければ高齢社会になればなるほど高齢の女性が日本の人口の相当数を占める割合が強くなってくるというわけです。

【3分の1の世帯が高齢世帯主】
もう一つ増加していく数値があります。高齢世帯数の増加です。
高齢世帯とは、世帯主の年齢が65歳以上の一般世帯のことです。
65歳以上の世帯を見ると、2017年の数値では約2379万世帯となり、全世帯(5043万世帯)の47.2%も占めています。
高齢者の割合は28.1%を超えた程度ですが、世帯比率では既に50%に近づいています。
日本社会は世帯単位で家計消費などが動きますので、既に2分の1の世帯が「高齢者消費傾向」に入っているのです。
1980年では三世代世帯が半数を占めていましたが37年後の2017年では単独世帯と夫婦世帯で50%を超えています。
単身世帯の内訳を見ると、2015年に男性約192万人、女性約400万人で、2040年でも男性355万人、女性540万人とほぼ同様に増えていきます。また、65歳以上人口に占めるその割合は13%、女性21%となっており、高齢年齢層の核家族化と女性高齢者の単身化が進展していくことがわかります。
ただ、80歳以上になると子ども夫婦との同居が始まり、高齢者だけの生活パターンが減少しています。年齢が上がるにつれて男性は子ども夫婦との同居の割合が増え、女性は単独、もしくは子ども夫婦との同居の割合が増えていくのです。

【高齢者世帯の金融資産の増加】
全国消費実態調査の家計収支を日本経済新聞社で推計した数値が発表されています。
2014年のものですが、世帯主が無職で65歳以上の2人世帯が対象です。これを見ると、高齢者世帯の所有する金融資産の全国平均は2003万円とのことです。
下記は総務省の全国ランキングです。

(高齢者世帯の金融資産・2019年総務省)
順位 都道府県  金融資産額(万円)
1位 東京都 2689
2位 奈良県 2527
3位 愛知県 2519
4位 神奈川県 2439
5位 岡山県 2356
6位 石川県 2277
7位 和歌山県 2275
8位 兵庫県 2239
9位 香川県 2211
10位 富山県 2205
全国ランキングで見ると、東京都が2689万円で最も高く、全体的には都市部が上位を占めています。石川県(6位)、富山県(10位)、福井県(19位)など北陸地域は、「持ち家率」が高く、「共働き世帯」も多く、「1世帯当たりの所得」も高いことなどが上位にランクされている理由ではないかとみられています。
ただ、あくまでも平均値ですので、一部の富裕層が全体を引き上げていることも考慮すべきでしょう。
高齢者世帯の多さは、「老後の生活と相続に対する事前準備」をしなければならないことを証明しており、全国一律な対応ではうまくいかないということがわかります。

高齢社会のおける10の視点


現在の日本では高齢者世帯が「金融資産」の60%以上を所有しています。高齢者世帯には借入金などの債務が少ないため、「純金融資産」で見ると65%~70%程度は高齢者世帯が保有していると考えられます。
一方、不動産所有も同様の比率で高齢者が所有しているため日本の個人の富(純金融資産+不動産)の70%近くは高齢者世帯が保有していることになります。
こうした点を加味してみると、今後は相続という切り口をベースとして考えた場合、次のような社会が誕生していくことがわかります。

【1.老老相続】
日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は、2018年には28%を超えています。さらに、65歳以上の高齢者だけの平均年齢をとっても毎年上昇傾向にあり、被相続人の相続発生時の年齢が高くなっています。したがって、配偶者の年齢も高くなり、相続人となる子どもの年齢も高くなってくるわけです。
これらは「老老相続」と呼ばれます。超高齢者の相続財産を高齢者が引き継ぐためです。この場合、相続人の一人となる配偶者も高齢者となり、日本社会では圧倒的に女性(妻)が相続人になるはずです。
そうなると、次の相続も近くなるため、連続して相続が発生する確率も高くなってきます。二次対策だけではなく、直系卑属も含めた三次・四次対策まで見込んだ相続戦略が重要になってきます。

【2.女性高齢者の資産家】
日本社会は男性が稼いで女性がフォローしていく時代を経てきました。そのうえ、家督相続として代々長男が財産を相続してきた歴史があります。
したがって、現在の資産家は男性が主力です。ただ、高齢者の多くは女性のため、男性が残した相続財産を女性高齢者が今後の人生設計の中でどう役立てていくかということがテーマになりだしています。
女性は男性と比べても消費や贈与に抵抗がありません。自らの生活基盤を確保するという側面の一方で、子どもや孫などへの贈与、さらには社会への還元なども含めて、二次・三次対策を上手にやっていくタイプなのです。

【3.高齢者の核家族化と親族間の複雑化】
高齢者の「独り住まい」や「ご夫婦だけ」といった核家族化が進展しています。つまり、次の世代の相続人らと別の生活をしているわけです。そのため、被相続人の財産構成や財産状況等についてのコミュニケーション不足が起こり始めています。
これは同時に、親族間の希薄さと複雑化を生み、相続が「家を継ぐ」から「財産の分配」へと意識が変わりだしていることにつながっています。
被相続人と相続人、及び相続人の間でも理解度の深浅が生じてしまいます。その結果、相続で最も重要な事前検証(リスクマネジメント)不足の傾向が多発し始めています。これが争族(争う家族)を生じやすくしてしますのです。

【4.相続財産の多くが不動産】
図表(相続財産の構成比)
相続財産 2002年 2010年 2015年 2016年 2017年
土地 58.7 48.4 38.1 38.0 36.5
建物 5.1 5.8 5.3 5.5 5.4
有価証券 8.4 12.1 14.9 14.4 15.2
現・預金 16.7 23.2 30.7 31.2 31.7
その他 11.1 10.5 11.0 10.9 11.2
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

相続財産に占める不動産構成比をみると、土地や建物の割合は減少傾向にあり2017年は40%程度です。ただ、この図表は相続税を申告したケースがベースとなっているため、土地や建物の評価は時価より低くなっていることに気を付けなければなりません。つまり、相続財産においては不動産は時価の60%程度になっているということです。さらに、相続税を申告しなくてもよいケースでは、自宅だけなどの不動産の占める割合はより多くなってくるはずです。
このように不動産が多くあるということは、「財産の分割」においても「相続税の納税」においても「債務相続」においても困難を生じさせやすくなるということです。
逆に、一つの不動産しかないケースでは相続財産の分割に関してモメ事の発生原因にもなりかねません。一人で生活していた母親の自宅を兄弟が相続で争うケースなどは日常的に起こりうるものです。

【5.個人の預貯金は都心部に集中】
団塊の世代などが日本の都心(関東圏や近畿圏)に集まり、ほとんどがそのまま住み続けていたことで、関東圏周辺では墓地不足が起こっている現状があります。
また、その上の世代の相続発生によって、地方の親の預貯金や不動産が都心部の相続人に移りだしており、地方の金融機関などで資金不足が発生しつつあります。つまり、相続によって地方の不動産の下落と地方の金融機関の預金が都心部にシフトしだしているのです。これからが今後の地方金融機関の問題にもつながっています。

【6.結婚数の減少と再婚数の上昇】
2018年度の結婚数は58.6組と前年より減少し、戦後最少を更新しました。さらに、現在の日本では4組の結婚が行われた場合、いずれかが再婚者、もしくは両者が再婚者というケースが1組発生しています。つまり、結婚数の25%は再婚者結婚が現状のようです。再婚割合も夫20%、妻17%で毎年上昇しています。
また同時に、離婚数も年間20万組を超えており、3組結婚する間に1.2組が離婚しているのが現状です。
そのため子連れ結婚も増えており、連れ子の取り扱いについても相続においては問題が生じやすくなります。さらに、連れ子が二次相続になってしまうと、第三者に財産が移動することになるため、相続対策に未来戦略の視点も必要になります。
今後は、こうしたケースにおける事前の財産分与対策がポイントになってくるでしょう。特に、高齢者同士の再婚数が増えていくため、相続までを考慮した事前の対応が重要になってくるはずです。

【7.不動産資産家の債務相続】
高齢者全体としては借入金などの債務は減少しています。
ただ、不動産所有者の中には、資金調達を借入金に依存していた層や相続した不動産を担保にして新たな資金調達を行ってきた高齢者が少なくありません。
ところが、相続に関してはプラスの財産に関しては興味を示しても、マイナスの財産には詳しくない富裕層が多いのも事実です。
例えば、借入金は遺産分割できないことなど理解できていないことが多いのです。
不動産の価値が大きく変化していることに気付いていない不動産所有者も多く、不動産が多いから売却すれば処理できると鷹揚にかまえている富裕層も存在しています。
そのうえ、家賃収入などでフローが回転しているうちはよいのですが、賃料低下、空室率アップ、滞納増加という時代が後押しする3大要素に加え、金利の上昇や修繕費のウェートなどが過重になるとキャッシュフローがマイナスになりかねません。この段階で相続が発生すると争族になりかねないのです。

【8.相続税課税の強化】
今後20年から30年の間は、相続により高齢者が所有している不動産や金融資産の移動が大量に発生します。
今後は、増加していく高齢者に勤労所得と金融所得に二分し、それぞれで損益通算して課税するいわゆる「二元所得制」がポイントになってくるかもしれません。
相続税制における相続税の強化は時代の流れが要請しているものであり、遺産取得者課税方式へのシフトなど、相続税課税は今後大幅に見直されていくと考えられています。
一方で、贈与税は相続税の補完税の役割はあるものの、経済の活性化という政策上の観点からは緩和傾向にあります。
相続税の強化と贈与税の緩和は消費税の増税といった税制面の整備とともに、富の再分配と経済活性化という両面からも重要な視点になるはずです。

【9.認知症の増加】
現在認知症と認定されている人は約500万人強と言われ、今後1000万人を超えると見られています。その理由は高齢者層が増加していくからです。特に85歳以上になると50%以上が認知症のリスクと対面するとも言われており、軽度の認知症まで含むと65歳以上の3分の1が認知症になると考えられているのです。
認知症になると法律行為ができなくなり、契約などの当事者になれなくなってしまいます。
収益不動産の所有者なら入居者や管理会社との契約は当然のこと、将来発生するであろう大規模修繕や相続対策の一切ができなくなってしまうのです。
そのため、家族信託や成年後見制度などの新しい手法を上手に活用していかなくてはならなくなってきます。

【10.相続における民法と税法の違い】
相続において、財産分割などを行う場合に「争族」になると最後のよりどころは民法となり、相続税については相続税法がベースとなっています。
例えば、生命保険金などは相続税法では相続財産(みなし相続財産)とされていますが、民法では基本的には相続財産では有りません。
また、土地の評価においても分割は時価(実勢価格)で行いますが、相続税法では路線価をベースにすることが多いのです。
さらに、相続税法では、相続税と贈与税という一税法の中に二税目を掲げており、財政面の視点と経済対策の視点から法律改正が頻繁に行われます。
一方、民法では、新しい社会の動きに対して大幅な改正がされ2020年4月から順次施行されています。複雑化する親族関係に対応して民法も新しく衣替えを行ったわけです。
民法と税法は法律の基盤の違いで、内容に数々の掃除点があるのです。こうした違いをしっかり理解しておかないと「争族」を生み出しかねません。

不動産相続の事前対策が必要な理由


【不動産相続の5つのポイント】
これからの時代は「何が」より「何のために」が物事のキーワードになりだしています。そこで、不動産相続における「何のため」を考えてみましょう。「何のため」は、遠い時間軸から始めなければなりません。その場合に、不動産相続や企業継承において考えておかなければならないポイントが5つあります。

①不動産や企業は原則として継続していく宿命を帯びているが、その所有者や経営者には寿命がある。
②不動産事業や企業経営は継承後の新しい所有者が意思決定を持つため、より戦略性が要求される。
③いずれのケースも利害関係者全員の未来の幸せ、そして、その結果として社会に役立たなければならない。
④どんな未来ビジョンがあるかを事前に示しておくべき姿勢が要求される。
⑤目先の損得より優先させるべきものを考えておかなければならない。

不動産相続や企業継承において考えておかなければならないことは、単に相続や継承という一時的な現象ではなく、人間と不動産、人間と企業という組み合わせが生じていることを理解しておくということです。土地という不動産は永遠であり、企業経営もゴーイングコンサーンと呼ばれる継続・永遠性が最大の目的となっています。
つまり、不動産や企業は永遠に存在していくべきものであるのに対し、所有、経営している人間には寿命があるということなのです。
当たり前のことですが、まず、この理解を明確にしておく必要があります。
簡単に言うと、不動産や企業には永続性が宿命付けられているのに対し、その司令塔たる人間には寿命があるため、相続や継承といった問題が発生するのだということです。単に相続や継承という一時点において上手にバトンタッチすることだけではより良い相続や継承にはなり得ず、常にその先にある未来を意識しておかなければならないのです。

【争族になりやすい不動産相続の8つの事情】
不動産相続には2つの課題があります。相続の前に「不動産」を付けているのは、相続の発生によりその後の所有者家系に大きな影響を与える可能性があるからです。
2つの課題とは「争族」と「相続」という2つになります。
「争族」=感情
不動産相続では人間の2つの側面が明確になるケースが多く発生します。1つは感情面であり、財産分割上における損得といった民法上の争いです。特に相続における平等主義は不動産の持つ帰属性に矛盾することが多く、こうした感情面のリスク対策を事前にしっかりまとめておく必要があります。
「相続」=勘定
勘定面の対策と匹敵するのが勘定面です。この勘定とは相続税のことです。相続税を支払うということは相続人にとっては債務を継承しているのと同じです。したがって、勘定面をクリアすることで、相続人間の利害は一致することとなるはずです。
相続税がどれくらいになり、その支払いは金融資産だけで賄うことは可能なのかについて事前に検証しておく必要があります。

「争族」という当て字を用いていますが、不動産相続は親族や相続人の間における争いの原因になりやすいケースと言えます。
反対に、預貯金などの金融資産が多い相続なら法定相続分で分割することも自由でありそもそも公平性を保ちやすい遺産でもあります。
ところが、不動産となるとそうはいきません。その主な理由は以下のようなことによります。
①不動産所有者は、不動産を所有・活用することで生計を立てている事業者的なケースが多い。
②不動産の相続税評価額は財産評価基本通達により路線価や倍率方式で計算されることにより、民法的分割(時価)を要求する相続人間で意見が一致しにくい。
③公平に分けようとすればするほど、不動産を処分して金銭化していくことになりがちである。
④不動産には住まいとしての役割、賃貸収益を生み出す役割、自らの事業地としての役割、将来設計としての役割などいくつもの顔がある。
⑤相続税法には物納という制度があるため、不動産の活用範囲が広くなる。
⑥誰がどの不動産を相続していくかは、不動産の立地特性と不動産相続人の組み合わせを明確にしておかなければならない。
⑦相続税法では、税制の仕組みによって土地の評価が大きく変動するため、こうしたメリットも考慮して相続人を決定していくことになりがちである。
⑧逆に、不動産が親の居住用しかない場合には、複数の相続人間で分割がしにくくなることで争いが起きやすい。

【見えざる債務の理解】
引き継いでいく不動産を処分することなく、相続税の納税に耐えうるかということです。
相続税とは「見えざる債務」のことです。金融機関からの借入金などを相続で引き継ぐ場合は、相続人は相当意識しているはずです。極端なことを言えば、プラスの財産は相続するが、借入金などのマイナスの財産は無くしてほしいと考えているはずです。
ところが、一定規模以上のプラスの財産だけが相続財産になると、相続税という実態のない債務が課税されることになるのです。したがって、相続税は「国からの借入金」であるという認識が必要になります。
いまだに「相続税なんて計算したこともない」という資産家はかなり存在しています。「金融機関からいくら借りているか知らない」と言っているのと同じであることに気付いていないのです。
また、金融機関からの借入なら数年以上の返済期日の中でしっかりとした金利交渉などを行い、返済原資を明確にして返済方法を決定していっているはずです。
ところが「国からの借入金」に対しては「いくら借入金が有るか知らない」は論外にしても、返済期限が10カ月であることを理解しておかなければなりません。
さらにこの10カ月のスタートは相続開始日(相続人が相続があったのを知った日)ですので、現実的には当初の2カ月程度は返済方法を考える余裕さえないでしょう。
もちろん、延納という制度がありますが、原則としては相続税の延納はやめた方がよいでしょう。もちろん出口戦略のある延納はかまいません。

【不動産相続戦略のカギ】
何のために不動産を相続するのか、あるいは、何のために企業経営を引き継ぐのかが明確になっているかどうかという視点です。相続税が大変だから節税するのも結構ですが、そのためには「何のために節税するのか」が明確になっていなければなりません。
さらに、単に明確になっているのではなく、その明確になっている理由に「社会性はあるか」がより重要になります。社会性があることにより、社会がその「何のために」にすることをバックアップしてくれるからです。支援者が多いケースと嫉妬ややっかみなどを意識しなければならないケースでは、どちらが成功する確率が高いかは自明の理です。この場合の成功も、うまくいったとか、とりあえず納得しあえたといった目先の成功ではありません。
不動産を所有することで親族が互いの未来の幸せを分かち合い、企業が継続してくことで社会に様々なお役立ちを提供できるといったことが続いていくという長期にわたる成功の仕組みすくりが必要だということです。

【不動産という資産に対するコスト把握】
不動産は所有していることでコスト負担が生じています。このコストは単なる現状コストのことではなく、これから発生するであろう未来コストも含んでいます。
未来コストとは大きく分けて2つあります。
①近い将来必ず発生するであろう大規模修繕などのコスト
②近い将来発生する相続税の納税コスト及び相続の発生に関する不動産移転コスト

①②の近い将来とは、少なくても10年くらいのスパンで考えておくべきです。
現状のバランスシートには表現されていないため、未来コストというわけです。こうした「見えないコストを見えるかすることがリスクマネジメント」であり、戦略的な不動産活用につながってきます。
「見える化」することで人間は意識が高まってきます。そのため、対応法が具体的になります。まさにリスクマネジメントなのです。
不動産は本当に資産としての不動産なのでしょうか。こうした一連の「見える化」によって個々の不動産の価値を再チェックしていかなければなりません。資産としての不動産は負債としての未来コストを差し引いても本当に必要な資産なのかどうかを検討していかなければなりません。

【3つしかない節税戦略】
節税戦略とは、「何のために相続税を軽減するのか」という質問にたいして納得できる解答を引き出せるかどうかといった方がわかりやすいでしょう。
「節税してどうするのですか」に対する解答が、長期的、空間的な広がりの中から見つけられているかどうかということです。
相続税の節税戦略は3つしかありません。
①資産(特に土地など不動産)の評価減
②資産の移転(贈与・寄付・消費)
③法定相続人(相続税法上の法定相続人)の数
その中の③に関しては、節税のためというより感情や心情面に配慮した結果が節税につながったという程度のことです。
実質的には①評価減②移転の2つしかないことになります。
この評価減と移転を考えるにあたっては、以下のようなポイントをクリアしなければなりません。

「評価減」⇒価値を下げないで評価をさげることの発想力
「移 転」⇒社会軸と未来軸の広げられる範囲の確認

【評価減の基本は本来の不動産価値を下げないこと】
評価減の基本的な考え方である「価値を下げないで評価を下げる」とは、収益力や財産価値そのものは現状を守りながら(あるいは、現状より高めながら)相続税の対象となる相続財産評価を下げることを言います。不動産の評価の下げ方には以下の4つのパターンがあります。
1,立地的要素
立地的な要素は、さらに見える欠陥と見えない欠陥に分けられます。
見える欠陥には、不整形地、無道路地、傾斜地、温湿地、凸凹地、がけ地、三角地、間口狭小地、道路との高低差などが入ります。
見えない欠陥には、土壌内の欠陥のことで、土壌汚染、埋蔵物、津波による塩害、放射能汚染地、上下水道・ガスなどの埋設管の有無などが考えられます。

2,環境的要因
環境的要因とは、隣地が墓地とか工場やごみ処理施設の臭気が強い、あるいは、近くに高速道路や鉄道の高架があり日照や騒音障害が生じているケースのことを言います。

3,心理的要素
心理的な要素とは、その土地や建物の時価を判定するために影響力のある状況が生まれているということです。例えば、境界の争いがある土地や自殺されていたマンションの1室、あるいは、暴力団事務所が入居しているビルなども心理的要因となるでしょう。
要するに、「いわくつき物件」は実際の取引価格も大幅に減少するということです。

4,法律的要素
法律上の要素とは、①税法上、②相続人、③公法上、④災害法などです。
税法上とは利用単位・種類区分によるもので、私道、貸宅地、貸家建付地による評価減のことです。また、相続人の要素には小規模宅地等の評価減、公法上には建築基準法42条2項道路(セットバックが必要な土地)や都市計画道路の予定地なども入ります。
東日本大震災などのケースでは、土地は震災特別法、建物は災害減免などによって評価減の対象となっています。

上記のいずれも不動産を活用して収益を上げる場合にはデメリットになります。これが逆に不動産相続における不動産の評価にとっては評価減として活用できるわけです。

お問い合せ



電話: 050-3627-0098お問合せ専用小野瀬行政書士事務所
営業時間: 9:30~18:30(当サイトからのお問い合せは24h対応
休日: 水曜日
運営: 小野瀬行政書士事務所



相談対応地域
横浜市鎌倉市藤沢市茅ヶ崎市逗子市寒川町川崎市相模原市海老名市厚木市平塚市

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