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借地権

借地権とは

借地権とは、建物所有を目的とする土地賃借権と地上権をさします。

「所有」から「利用」へと言われて久しく、重要な財産である土地、とりわけ宅地を所有することはもちろん、貸し付けることで有効利用することは古くからある形態です。

土地を借りることを借地行為と言い、借地行為は単なる賃借権であり、物件のような強固な権利ではありませんでした。

そのため借地する者の権利は極めて不安定なものであり、借地権設定者(地主・底地人とも言う)の恣意で契約更改や解除が行われることが多かったのです。建物を所有していても、その敷地に対する権利が無ければ、地主の意向により理不尽に立退きを迫られることもある。

借地人は建物及び敷地を恒常的に利用する権利を確保したい、地主はできるだけ物件的権利の設定は避けつつ安定的な地代収入を確保したい、という思惑のせめぎあいの結果、民法の規定における「賃借権」の枠を超えた立法が必要となったわけです。

先ず、建物所有者の保護及び権利が強く言われるようになり、1909年(明治42年)に「建物保護に関する法律」が制定され、建物保護法では、借地上の建物を登記することにより、第三者に対する対抗要件を備えることとなり、借地人の地位が保護されることとなり、単なる賃貸借から外れ、地主の勝手な土地処分からも免れることとなりました。

次に、権利が保証されていても、その存続期間を何年とするか、期間が満了した時の借地人の保護をどのように考えるか、又は建物が消滅した場合の借地人の権利をどうするかという問題があります。

そこで、借地人の権利の強化のために、1921年(大正10年)に「借地法」が制定され、借地権の存続期間は、堅固な建物は30年、それ以外は20年。契約期間の定めがないものについては、堅固な建物の所有の場合60年、それ以外は30年としました。また期間満了時に建物が存在している場合は、借地人が地主に対して借地契約の更新を請求した場合は、同一の条件でさらに借地権を設定したとみなす等、借地権の存続期間の延長が図られることとなりました。

広大な土地を所有しているだけでは何も生み出さず、維持費の負担のみが生じるため、戦後になって土地を貸し付けて地代という確実な現金収入を得る地主が増加した一方、経済の成長と共に地価が上昇し、借地権者の権利も増幅することとなり、普通の借地権については、期間が満了しても、地主の自己使用の必要性などの「正当事由」が認められない限り、借地契約の更新を拒絶できないとされ、事実上、一度貸したら返ってこない状況にあり、地主にとっては好ましいことではなく、この問題が新たな借地契約の締結を阻害することとなり、宅地の供給が減少してきました。そこで借地や借家に関する権利義務を見直し、1991年(平成3年)に「借地借家法」が制定されたわけです。

借地借家法では定期借地権の創設等の変更も加えられ、時代に即したものとなりました。

 現在、流通している借地権契約の形態は、

旧借地法による借地権

普通借地権

定期借地権等

の三種類になります。

定期借地権等には事業用定期借地権・一般定期借地権・建物譲渡特約付借地権がありそれぞれに要件の違いがあります。

定期借地権には、事業用定期借地権・一般定期借地権・建物譲渡特約付借地権があります。
茅ヶ崎市・寒川町を中心に神奈川県内で借地権のお困りごとは「相続手続きの相談窓口」までご相談ください。

借地権の種類

借地権はまず「賃借権」「地上権」の2つの権利形態があります。

「賃借権」は債権ですので賃借権の登記は借地人が求めても地主が拒否することができます。ほとんど登記されていません。
借地権が賃借権の場合は、第三者に借地権付建物を譲渡する際には地主の承諾が必要になります。

「地上権」は物件ですので登記することができます。
第三者に建物を売却する際や借地権を転貸する場合も地主の承諾は不要です。

 

次に借地権の契約形態は大きく6つあります。

●借地法に基づく借地権。(旧法借地権と呼ぶことがあります)

1992年(平成4年)8月より前から土地を借りている場合は「借地法」が適用されます。

契約期間を定める場合は、堅固な建物の場合は30年以上、非堅固な建物で20年以上、期間を定めていない場合は、堅固な建物の場合は60年、非堅固な建物で30年となります。更新することによって半永久的に借りることができます。

●普通借地権

更新することにより半永久的に借りることが可能です。存続期間は構造に関係なく当初30年以上、合意上の更新なら1回目の更新の存続期限は20年以上、2回目以降は10年以上となります。

●一般定期借地権

定期借地権付きの一戸建てやマンションなど、住宅用として土地を賃借するものです。契約期間は50年以上で更新はなく契約終了後に更地で土地を返還しなければなりません。

●事業用定期借地権

店舗や商業施設等で土地を借りる場合のもの。契約期間は10年以上50年未満(2008年1月1日以前は10年以上20年未満)。契約終了時には更地にて土地を返還しなければなりません。

●建物譲渡特約付借地権

契約時から契約期間終了時に借地権設定者(地主)が相当の対価で建物を買い取る決まりが設けられているもの。契約期間は30年以上。

●一時使用目的の借地権

プレハブ倉庫や工事用仮設事務所などで一時的に土地を借りる場合のもの。

茅ヶ崎市・寒川町を中心に神奈川県内で借地権のお困りごとは「相続手続きの相談窓口」までご相談ください。

借地権のメリット・デメリット

『借地権のメリット

○土地の固定資産税・都市計画税の負担が無い。

○特に借地法(旧法借地権)の場合、法律に守られていて半永久的に借りられる。

○立地が利便性や立地条件の良い場所にあることが多い。

○借地権付き建物を購入する場合は、所有権付きのものより安く手に入る。

○土地に対する費用を抑えられるので収益物件(アパートなど)を建てるのに向いている。

 

☆借地権の物件は、主に利便性や、価格の面でのメリットがあるようです。

 

『借地権のデメリット

●地代の負担がある。
●更新時には更新料が必要な場合がある。
●借地上の建物を第三者に売却する際には地主の承諾と譲渡承諾料が必要。
●増改築・建替えの際、地主の承諾が必要(承諾料が必要な場合もある)。
●借地権は第三者に売却するのが難しい。

 

★所有権と比べて土地と建物の利用処分について自由度が少なくなります。

茅ヶ崎市・寒川町を中心に神奈川県内で借地権のお困りごとは「相続手続きの相談窓口」までご相談ください。
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借地の地代に関する基礎知識

地代の値上げ・値下げ請求

借地契約において合意で決めた地代を、相手の同意なく当事者の一方から変更請求できるのは何故なのでしょう。

1.借地借家法第11条(地代等増減額請求権)の規定によって変更できます。これは、継続的契約関係における事情変更の規定になります。

2.地代増減額請求権は、借地契約は継続的に長い期間続くものだから、ある時点で合意した賃料も、時間が経つと不相応になってしまうので、値上げ・値下げが必要な場合には、当初合意した賃料相場に従って値上げ・値下げを一方当事者から請求できるようにしたものです。

 

地代の相場

普通借地契約において地代の相場はどれくらいが適正なのでしょうか。

1.近時取り扱う実務では、固定資産税・都市計画税の3~4倍程度(裁判所が決めるとほぼ3倍になるようです)が多いです。

2.正確には不動産鑑定によることとなるが、鑑定費用も数十万円掛かってしまいますので、固定資産税・都市計画税の評価証明書または公課証明書を取得して合理的な地代を計算します。

 

不動産鑑定による地代算定方法

不動産鑑定士が地代の算出する方法として様々な方法が用いられるが、主たるものとして以下の方法があります。

1.スライド法(適正地代=従来の地代×変動率)

地代の値上げ・値下げの問題は、法律的に「継続賃料」の考え方が重視されるので、スライド法による算定がなじみやすいようです。

一方で、当初の地代の決め方が不合理な場合に、適正な地代に是正することが困難である等の短所があります。

2.利回り法(地代=基礎価格×適正利回り+必要経費)

土地の価格を基礎として、これに期待利回りを乗じた額に賃貸借を継続するために必要な固定資産税・都市計画税等の諸経費を加えた額を賃料とする方法。これは、契約の個別的要因を捨象されてしまうことや、期待利回りをどのように設定するかで算定額が変動するため、鑑定士の主観的な判断に左右されやすいという短所があります。

3.差額配分法

適正な地代と現在の地代の差額についいて、契約内容、契約締結の経緯を総合的に勘案し、当該差額のうち地主に帰属する部分を適正に判断した額を改正前の地代に加算して地代を求める方法。当初の地代の決め方が不合理であった場合に、配分割合を調整して地代の是正を図ることができるが、差額の配分割合を定める客観的な根拠に乏しいという短所がある。通常は差額のうち地主に帰属する部分の割合は、2分の1、又は3分の1程度になります。

4.賃貸事例比較法

近隣の地代の事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらの地代額に必要に応じて事情補正及び時点補正行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考量し、相当賃料を求める方法。そもそも土地の賃貸借は、土地の個別的要因のほかに賃貸借の始期、賃貸借に至った経緯、権利金の授受の有無、契約条件、賃料改定の動向、賃貸借当事者の主観的な事情等が異なるのが通常であり、この方法で求められた賃料は、その地域の一般的な賃料水準は示すが、個別的な事情が多い当該借地の適正な地代を算定する根拠としては説得力に欠けるという短所があります。

 

前記いずれの方法にもそれぞれ長所・短所があるため、実際には前記各方法で新地代額を算定し、その事案の特殊性に配慮して、各算出方法について重視する比重を定め、適正地代を総合的に決定する場合が多いのです。

 

借地人による土地の評価証明書の取得方法

これまで土地や建物の固定資産税・都市計画税の評価額や税額は、その所有者しか閲覧できなかったのですが、平成15年4月1日の評価証明の取扱い改正により、土地の所有者以外に借地人なども固定資産課税台帳(評価証明書・公課証明書)の記載事項を閲覧することができることとなりました。借地人が閲覧できるようになった根拠は明確ではなく、総務省の通知で処理されているようです。

「借地人による評価・公課証明書の申請方法と必要書類」

1.借地契約書又は登記事項証明書(借地人が所有している借地上の建物と借地権が設定されている地主名義の土地)。

2.本人確認書類(運転免許証・住民基本台帳カードなど)代理人の場合は委任状が必要になります。

3.手数料は土地1筆につき300円程度必要です。

 

地代の値上げ請求値下げ請求も同じ・賃借人と地主の立場が変わるだけです)

地代の値上げを借地人に請求するときは、できるだけ話し合いで解決できるように努めましょう。借地という長い期間付き合う地主と借地人という関係上、お互いが相手方のことを思いやって良好な関係を築くことはとても大切です。

しかしながら、どうしても話し合いで値上げの協議ができない場合もあるでしょう。

その際は以下の手続きに取らざるを得ません。

1.正式に値下げの請求を行う。

ア)内容証明郵便(配達記録付)で行う方が良いです。

イ)後日、裁判等で値上げが認められた時、値上げ請求の意思表示が借地人に到達した時点から値上げの効果が生じるからです。よって、通知した内容と届いた日が証明できる内容証明郵便で通知を行うべきです。

ウ)相談をした不動産会社等には、値上げの問題をできる限り話し合いで解決するように今一度交渉してもらいましょう。理由としては、調停・訴訟はコストがかかるからです。

2. 調停を申し立てる。

ア)値上げ交渉がまとまらなければ、調停を申し立てることになります。

イ)地代の値上訴訟には調停前置主義がとられているので、先ず、調停を申し立てる必要があります。借地関係は今後も継続していくものですので、訴訟の前に裁判所での話し合いで解決することが望ましいという趣旨です。

3. 訴訟を提起する。

ア)調停でまとまらなければ、地代値上請求訴訟を提起します。

イ)弁護士費用、不動産鑑定士への鑑定料(30万円~80万円)が必要になり、費用負担も考慮して訴訟を提起するかどうかを事前によく検討しましょう。

ウ)この弁護士費用や鑑定費用の負担を考えれば、地主にとって、地代額が安い場合に訴訟を起こすことは困難な場合もあります。

ただ、あまりにも安い地代で居座っている借地人に対しては、他の借地人に対する管理にも影響してくるので、費用がかかっても、訴訟を起こさざるを得ない場合もあるでしょう。

 

暫定期間の借地人

地代の値上請求訴訟の結論が出るまでの間、借地人が支払うべき地代の額は誰が決めるのでしょうか。

これは、値上げ請求された借地人が決めます。逆に値下請求訴訟の場合は、値下げ請求された地主が決めます。

暫定期間に支払った地代は、結論が出て、不足している場合は、内容郵便が届いた日から清算を行い、かつ、年1割の利息をつけて支払う必要があります。そのため借地人は暫定期間に支払う地代については予防策として、今までの地代と地主の請求地代の差額の半分くらい上乗せした額を支払っておくと値上げが認められた時の負担が少なくて済みます。

地代の供託

1.地主から地代の値上げ請求書が届いたことを理由に地代の供託はできません。

地代供託ができる場合は以下の通りです。

ア)地代を地主のもとに持参したが、受領を拒まれた場合。(受領拒否)

イ)あらかじめ地主が、値上げ後の地代全額でなければ、地代は受領しない旨を借地人に通知していた場合に、借地人が地代の支払を準備して、その旨を地主に通知して受領を催告(口頭での提供)すれば、弁済の提供があったことになり、弁済供託が可能です。

地代の値上げ・値下げでトラブルになっても借地人は地代を支払い、地主はこれを受領することが大切です。

2. 供託された地代を地主が受け取る場合の注意

地主から増額請求後に、その増額賃料に満たない供託賃料を、そのまま供託所から受け取ると、地代の増額請求を撤回したものとみなされたり、増額請求後の賃料に対する不足分の請求権を放棄したものとみなされ、不利益を被る可能性があります。

地主が供託所から供託賃料を受け取る時には「増額請求後の賃料債権の一部に(内金)に対する弁済として受領する」旨を供託金払渡請求書に記載して供託所に提出し、供託金還付請求手続を行うと良いでしょう。その供託金払渡請求書の控えは手元に保存しておくことが大事です。

3. 供託還付・取戻請求権の時効消滅

供託賃料の消滅時効の起算時は「紛争解決時」ですので、事実上供託金は殆どの場合は消滅時効にはかからず、払渡請求が可能という結果のようです。

茅ヶ崎市・鎌倉市・藤沢市・逗子市・寒川町・横浜市・川崎市・相模原市の借地でのお困りごとは「相続手続きの相談窓口」にご相談ください。

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借地契約における増改築禁止特約とは?

増改築禁止特約とは

増改築禁止特約とは、地主が借地契約において、借地人に対し、借地上の建物の増築・改築をする場合には地主の承諾を必要とする特約です。

増改築禁止特約と呼ばれてはいますが、一般的には「増改築ができない」という特約文にはなっていません

Ex)

「第●条 借地人は借地上の建物を増改築する場合においては、予め地主の書面による承諾を得なければならない。」

というような特約文になります。

増改築禁止特約の増改築とは?

「増築」:床面積を増やす築造

「改築」:同じ場所で新材料を使った建替え工事

「再築」:旧建物の材料を使用した建て替え工事

※他には大修繕も解釈上、ここでの「増改築」に入ると解されています。

増改築禁止特約が無い借地契約の場合

旧借地法では増改築禁止特約が無ければ、非堅固・堅固建物所有目的内での建替え・増築は自由です。

つまり非堅固建物(木造・鉄骨造)➡非堅固建物(木造・鉄骨造)

堅固建物(鉄筋コンクリート造)➡堅固建物(鉄筋コンクリート造)は自由ということです。

非堅固建物(木造・鉄骨造)➡堅固建物(鉄筋コンクリート造)は借地契約を堅固建物所有目的として契約内容を変更しなければなりませんので、地主の承諾なく建替えすることはできません。

※旧借地法第7条

借地権の消滅前、建物が滅失したる場合において(地震・火災に限らず解体も含む)、残存期間を超えて存続すべき建物の築造に対し、土地所有者が遅滞なく異議を述べざりしときは、建物滅失の日より起算し、堅固の建物については30年間、その他の建物については20年間存続す。但し残存期間これより長きときはその期間による。

増改築禁止特約の有効性

増改築禁止特約は「借地人に不利なものとして無効とならず」特約として有効とされています。理由としては以下があげられます。

1. 増改築禁止特約が設けられる理由としては、借地人が自由に借地上の建物を建替え・増築ができるとすると、

①    借地契約終了時に、借地人に建物買取請求を行使された場合の買取価格が高額になってしまう。

②    期間満了の際、法定更新のためには「建物が存在する」ことが必要であり、増改築が自由だと、借地権の存続期間が更新される不利益を地主が受けることになります。そのため、増改築に地主の承諾を必要とする特約を設けて、このような地主側の不利益を防止するために設けられています。

2.増改築禁止特約が特約として有効とされる理由は以下になります。

①     増改築禁止特約は、単に増改築を制限した特約に過ぎず、法が認める借地の更新など基本的な借地の使用制限を制限する特約ではないから、借地借家法第9条によって無効とされる借地人に不利な特約に該当しない。

②     増改築禁止特約を設けることは、前記の通り地主側にも合理的必要性がある。

③     借地借家法第17条2項は、増改築禁止特約が有効であることを前提に、これを裁判所が変更する制度を定めたと考えられる。

④     以上の理由により、借地借家法第9条には反せず、有効と解するべきであり、判例・学説も同様に解している。

※借地借家法第9条(強行規定)

この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。

※借地借家法第17条(借地条件の変更及び増改築の許可)

2 増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

増改築禁止特約に伴う、建替え承諾料の相場は?

建替え承諾料の相場は、更地価格の3と言われています。

更地価格とは路線価ではなく、公示価格ベースで判断されることが多いです。

原則的には更地価格の3%で考えられています。

理由としては、増改築禁止特約があるため、借地人が地主に増改築許可を求めたところ、地主が拒否すると、借地人から裁判所に「地主に代わって裁判所が増改築の許可を出すように借地非訴の申立」ができます。

この裁判所が地主に代わって増改築の許可を出す場合、建替えによる地主の不利益を補うため、承諾料を支払うことを条件に増改築の許可を出します。更地価格の3%という料率は、その際の裁判所が定める承諾料の相場になります。

また、借地人が建替えする際に銀行融資を使う場合には、銀行から「抵当権設定承諾書」を必要とすることがほとんどです。

ですから、「建替え承諾書」に、抵当権設定承諾書への署名押印もいただけるような内容のものを専門家に作成してもらうことが大事です。

増改築禁止特約と信頼関係破壊の理論

増改築禁止特約が設けられている借地契約において、地主の承諾なく柱・ハリ等の構造体を交換し、建物の耐用年数を大幅に伸ばすような増改築をした場合、地主は借地契約を解除できるか?

 このようなケースでは、地主の承諾を得ずに増改築が行われたときでも、借地人の増改築行為が悪質とみられる場合を除き、借地の契約解除は難しいとされます。

理由としては以下が考えられます。

1. 増改築禁止特約がある場合に、借地人の無断増改築が借地契約の解除原因になるかどうかが問題となりますが、判例では、建物所有を目的とする土地の賃貸借中に、増改築禁止特約が付されていたが、賃借人が賃貸人の承諾を得ないで増改築をした場合において、「この増改築が借地上の土地の通常の利用上相当であり、土地賃貸人に著しい影響を及ぼさないため、賃貸人に対する信頼関係を破壊する恐れがあると認めるに足りないときは、賃貸人が前記特約に基づき解除権を行使することは、信義誠実の原則上、許されないものというべきである」と判断しました。(最判昭和41年4月21日民集20巻4号720頁)

2. 判例上、賃料不払いに基づく賃貸借契約の解除により、建物の明渡を求めた事例において、信頼関係を破壊する程度の債務不履行が有るか否かを基準に解除権の行使を認める信頼関係破壊理論が採用されていたが(最判昭和39年7月28日民集18巻6号1220頁)、判例は、無断増改築を理由とする解除の場合にも、信頼関係破壊理論が適用されることを明らかにしました

3. 地代不払いによる解除も、一定期間不払いがあれば、地主の解除は認められやすい。ところが、無断増改築による解除の場合には、解除が認められにくいのは、

①    増改築はもともと自由であり、禁止特約による例外的な制限であること 

②    増改築禁止特約があっても、借地人が借地非訴手続きをとれば、ほとんどの場合、増改築が認められる。

からであるようです。

茅ヶ崎市・寒川町を中心に神奈川県内で借地権のお困りごとは「相続手続きの相談窓口」までご相談ください。

借地権の更新拒絶

『借地の更新拒絶とは』

旧借地法による借地権

地主が借地契約を期間満了で終了させたい場合に、㋐借地権者からの更新の請求に対して異議を述べる㋑契約期間満了後も借地の使用を続けている借地権者に対して異議を述べる、㋐㋑によって借地契約を期間満了で終了させることを言います。

そして、地主の異議に正当事由が認められると、借地契約は更新しないで終了します。この正当事由とは、地主の事情と借地権者の事情を比較して決まります

ただし、借地権者に地代の不払いや無断転貸などの契約違反があれば、期間満了を待つことなく契約解除できます。

 

借地の更新の場合は、更新を希望する借地権者が地主に対し「更新の請求」をする必要があります。

「更新の請求」の時期は法律で決められていませんので、直前の満了まで可能と考えられます。

この「更新の請求」に対して地主側が更新したくない場合に「異議をを述べる」ことができます。この意思表示は借地権者に伝えれば足りますが、その意義に「正当事由」が無いと法定更新することとなります。

この「異議を述べる」ことを「更新拒絶」と言います。

 

「異議を述べる」という意思表示は、遅すぎるとダメですので遅滞なく述べる必要があります。

「更新の請求」に対しての返答は、地主も検討の時間が必要ですので2か月くらい後に異議を述べたからと言って遅滞があるとは判断できません。

期間満了後も借地権者が土地の使用を続けている場合には、すでに期間満了しているわけですから、更新についての地主の考えは決めているはずですから期間満了後速やかに異議を述べなければなりません。

 

『正当事由とは』

基本的には「地主と借地権者の双方が、それぞれの土地を必要とする事情」を比較することになります。

地主側で「土地の使用を必要とする事情」がなければなりません。

この土地を必要とする事情で判断できない場合に、その他の事情や立退料などで正当事由を判断します。

新法(借地借家法)では、地主・借地権者が土地を必要とする事情のほか、従来の経緯や土地の利用状況、そして、地主側から借地権者に提供する立退料の額で正当事由を決めると書いてあります。

いくら高額な立退料を積んだとしても、地主側に土地を必要とする事情が認められない場合には「正当事由」は認められません。

つまり、地主側に土地を必要とする事情があり、それに立退料を加えると契約終了にしてもいいだろうと判断できる場合でなければ、契約の終了は認められないということです。

これは旧借地法の正当事由の解釈でも同じ解釈をすることとなります

 

「正当事由」が認められるには地主の土地の必要性が必須のためなかなか認められないように感じますが、「正当事由」」が認められたケースはありますので、専門家に相談してみてください。

 

次に、「借地権者の土地の必要性」です。

当然、地主・借地権者の土地の必要性を比較するのですから、更新するには借地権者にも必要とする事情が必要です。

借地権者の土地の使用の必要性とは、「借地権者自身が借地を使用している」・「借地権者と実質的に同視できる者が借地を使用している」場合になります。

特に土地の必要性が認められない場合は「借地上の建物が空き家になっている場合」です。

契約期間の途中なら地代を払っていれば問題ありませんが、満期になり、地主が更新拒絶した場合には、借地権者側に土地の使用を必要とする事情がないことになります。

また、借地権を売りたいと考えている場合も、契約期間の途中ならいいのですが、満期になり借地権を売りたいというのは、借地権者が自ら「借地を使う必要がない」と言っているのと同じになります。

 

よく、借地権は半永久的に更新できると言われますが、必要性がなくなってまでも更新が認められるものでもありません

茅ケ崎市・寒川町を中心に神奈川県内の借地・底地の取扱いは「相続手続きの相談窓口」にご相談ください。

借地権の相続税・贈与税評価

借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいいます(借地借家法第2条一) 。

借地権は、相続税や贈与税の課税対象になります。国税庁のHPでは以下のように分類するそうです。

(1)借地権(旧借地法、借地借家法((2)から(5)までを除く。))

(2)定期借地権(借地借家法第22条)

(3)事業用定期借地権等(借地借家法第23条)

(4)建物譲渡特約付借地権(借地借家法第24条)

(5)一時使用目的の借地権(借地借家法第25条)

借地権を評価する場合には、(1)を「借地権」、(2)から(4)を「定期借地権等」および(5)を「一時使用目的の借地権」に区分して評価します。

 

『借地権の評価』

借地権の価額は、借地権の目的となっている宅地が権利の付着していない自用地(他人の権利の目的となっていない場合の土地で、いわゆる更地をいいます。)としての価額に借地権割合を乗じて求めます。この借地権割合は、借地事情が似ている地域ごとに定められており、路線価図や評価倍率表に表示されています。路線価図や評価倍率表は、国税庁ホームページで閲覧できます。


『定期借地権等の評価』

定期借地権等の価額は、原則として、課税時期(相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)において借地権者に帰属する経済的利益およびその存続期間を基として評定した価額によって評価します。

ただし、定期借地権等の設定時と課税時期とで、借地権者に帰属する経済的利益に変化がないような場合等、課税上弊害がない場合に限り、その定期借地権等の目的となっている宅地の課税時期における自用地としての価額に、次の算式により計算した数値を乗じて計算することができます。

 『一時使用目的の借地権』

一時使用のための借地権の価額は、通常の借地権の価額と同様にその借地権の所在する地域について定められた借地権割合を自用地としての価額に乗じて評価することは適当ではありませんので、雑種地の賃借権の評価方法と同じように評価するそうです。

茅ケ崎市・寒川町を中心に神奈川県内で借地権のお困りごとは「相続手続きの相談窓口」にご相談ください。

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電話: 050-3627-0098お問合せ専用小野瀬行政書士事務所
営業時間: 9:30~18:30(当サイトからのお問い合せは24h対応
休日: 水曜日
運営: 小野瀬行政書士事務所



相談対応地域
横浜市鎌倉市藤沢市茅ヶ崎市逗子市寒川町川崎市相模原市海老名市厚木市平塚市

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