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遺言書作成 付言事項

付言事項の意味と目的

遺言書とは、遺言事項ではないことを書いても法的効力(強制力)はありません。
だからと言って書いてはいけないわけではありません。
法的拘束力のないものを付言事項と呼ばれています。
法的拘束力はありませんが付言事項に込められたメッセージが相続人等に伝わり、それが相続人等の行動に影響を及ぼすことにより、事実上の効果をもたらすことになります。
遺言書とは、相続紛争を予防し遺言者の考える資産承継を実現することが目的ですから、法的効力を期待するのが本来です。
しかし、法的効力の無い「付言事項」が相続人等に一定の効果を及ぼすことにより、事実として紛争の予防ができるのであれば、遺言書に付言を書くことには大きな意味があります。

付言の内容

付言事項に記載する内容は、制限はなく、何を書いてもかまいませんし、書き方も自由です。
ただ、付言事項を書くということは、相続人の気持ちに働きかけ、紛争を予防し、遺言者の考える資産承継を円満に実現しようとするものですから、その目的に適う内容を記載することをお勧めします。
つまり、相続人が遺言書を読んで、
よく考えてくれたことだから仕方ないな
事を荒立てずに我慢したほうが良いな
と感じてもらえるような内容にできると効果的です。

よく付言で記載される具体的な内容は以下のものです。
1.遺言を作成するに至った趣旨、理由を補足、説明する
2.遺留分侵害額請求の自粛を求める
3.遺産を承継する者に、承継後に資産の使い方を指示する
4.財産的価値の乏しい愛蔵品等についての保管方法を指示する
5.自分の生き方や思いを伝える
6.生前の厚誼についての感謝
などでしょうか。
具体例は下記をご覧になってみてください。

1.遺言書を作成するに至った趣旨、理由を補足、説明する

例えば、一見不平等に見える遺産の配分の理由や、遺留分の侵害ではないことについての計算根拠を示して説明するなど。
具体的には、
「長女〇〇には、自宅を買う際に平成●●年●月●日に金1,000万円を□□銀行の〇〇の口座に振り込んで贈与しています。この遺言では、その分を考慮して遺産配分したものです。」
というような、特別受益となる生前贈与があることを述べて、遺産の配分が公平であることを説明したものです。
具体的に記載しておくと、遺言対象外の遺産分割や、遺留分侵害の有無が問題になったときに、大きな影響を与えることができます。

他には、
「この遺言では、次男の〇〇に他の者より多くの財産を渡しますが、これは次郎には妻子もおらず、病気のことも心配なので、生活に困らないようにしたいからです。●●と▲▲は私の気持ちを汲んで、次郎をサポートしてあげてください。お願いします。」
というように、素直な思いを説明することもあります。

2.遺留分侵害額請求の自粛を求める

自粛を求めるには理由が必要となりますので、付言で理由を説明したりします。
例えば、
「お母さんの生活の安定を考えて財産はお母さんに相続させます。今回、子供達には直接の財産分けはありませんが、いずれお母さんから遺産がいくことになるので、ご了承ください。」
というような、子供がいるのに妻に全部を相続をさせたい場合の付言事項だったり、
「長男〇〇が引継いでくれた会社の存続を万全なものにするために、〇〇に自宅、会社の敷地と賃貸不動産を相続させます。私が一生をかけて作った会社のために〇〇に財産を相続させることに長女●●には理解してほしいです。その代わり〇〇は、●●に対しては生涯、生活に不自由しないよう、経済的にサポートしてください。兄妹助け合いながら仲良く生きてほしいです。」
というような会社を引継ぐ者に大半の遺産を承継させる場合の付言事項だったりと、相続人が事情を考慮してくれる内容にして、遺留分侵害額請求など相続人間で争いを防止する内容の付言もあります。
付言には法的効力はありませんが、相続人の心に訴えかけて争いを防ぐ役割があります。

3.遺産を承継する者に、承継後の資産の使い方を指示する

例えば、
「●●家の不動産は、長女△△に相続させますが、これは●●家の財産で、△△には子供がいないのですから、亡くなった後には孫(△△の姪)である□□に行くように遺言してください。宝石装飾品及び和服その他形見分けは、△△が死亡した後孫の□□に譲ってください。」

実際は、後世のことは後世の者が考えるのが良いと考えもありますが、先祖代々の者などは家系が変わるのを嫌う方もいますから、このような付言も相続人に思いを伝える方法として付言事項で書かれたりします。
ただ、何回も書きますが付言事項に法的効力はありませんので、どれだけ相手に思いを伝えられるかということになります。

4.財産価値の乏しい愛蔵品等についての保管方法等を指示する

遺言者にとっては主観的価値があるものであっても、財産的価値の乏しいものがあり、付言事項でその保管方法等を指示する場合があります。
例えば、
「アクセサリー類は、姪たちで、気に入ったものがあったらもらってください。要らないものは処分してください。」
「〇〇は、古くて実用的でもないですが、先祖から伝来したものなので、これだけは次代に伝えていってください。ほかのものは処分してかまいません。」
というような書き方したりします。
なぜこのような付言を書くかというと、普通は形見分けなどで関係者の間で適宜分配されたり、処分されたりする財産だけれども、遺言事項の中に「その他一切の財産は〇〇に相続させる」と記載されている場合、遺言事項と形見分けとの間で疑義が生じる場合があるからです。

5.自分の生き方や思いを伝える

自分の生き方や思いを伝えるだけなら、相続人等宛の手紙やエンディングノートに書いても同じことになります。
ただ、遺言に書くことにより、相続人等が重く受け止めてくれるということはあり、そこに意味が見出されているものです。
他にも、家訓があれば家訓を受け継ぐように指示したりする場合があります。
例えば、
【付言】
 ここに先祖代々の〇〇家の家訓を記しておきます。
1.ーーーーーーー
2.ーーーーーーー
3.ーーーーーーー
4.ーーーーーーー
5.ーーーーーーー
 長男である□□は、〇〇家の当主として自覚と責任をもって、子の家訓を大切に守り、子々孫々にも、子の家訓を受け継いでいくよう、私から強く願うものです。

というようなものもあります。

6.生前の厚誼についての感謝

私は「生前の厚誼に感謝」が書かれた付言事項が一番好きです。
目的があって付言するのであって、好き嫌いで判断してはいけませんが、遺言書作成を手伝っていると感謝の付言を公証人が読み始めると私はすぐ泣きたくなってしまいます。
遺言書を作成する人は、その行為だけで思いやりがあり、家族への愛を感じるのですが、付言でその思いに触れると、全くの他人である私も温かい気持ちにしていただけます。
例えば、
「私は、妻や子供たちのおかげで幸せ人生でした。家族の皆には本当に感謝しています。ありがとうございました。特に永年苦楽を共にしてきた妻には感謝の気持ちで一杯です。」
「姪の〇〇には、特に、私の兄□□が他界してから以前にもまして私のことを気遣い優しくしてくれ、感謝しています。せめてものお礼として、私の財産全てを姪の〇〇に遺贈しますので、快く受け取ってください。〇〇とご家族の皆さんが幸せな生活をおくられるようにお祈りしています。」

こんな付言を残してもらえたら、ご家族も悲しみだけではなく、遺言者が良い人生を送れたんだと安心するでしょうね。

付言を書く際の注意

最後に、付言を書く際のに注意していただくことを書いておきますね。
まず、付言事項は遺言事項と違って法的効力がありません。
法的効力を期待するのは遺言事項になります。
1.遺言条項(遺言事項)に条件を付けたのではないかと誤解されるようなことは書くべきではありません。
付言として書く以上、あくまで希望であることを認識して、誤解がないように書くべきです。
2.相続人に対する感情的な非難、人格攻撃
遺言はすべての相続人が読むことになりますし、遺言執行の必要上、手続き関係者等多数の目にも触れます。
そんな付言を残してしまうと、非難された相続人の反発を招いて紛争を深刻化させかねませんからね。
3.遺言は死後に効力が生じることを忘れない。
遺言書は、死後に開示されるものです。
したがって、自分の尊厳死宣言や臓器移植等については、生前の問題であり、遺言書とは違う方法で実現する必要があります。
葬儀等については死後の話ですが、遺言書が見つかる前に葬儀が終わってしまって、希望する葬儀が行えないことはよくあります。
葬儀等の希望を付言する場合は、遺言書の存在を信頼できる人間に知らせておくか、遺言書以外の方法を考えるべきです。

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