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家族信託の知識まとめ

家族信託と民事信託とは?

民事信託家族信託は法律用語ではありません。
他にも商事信託という言葉もお耳にする方もいるかと思いますが、こちらも法律用語ではありません。
信託法の中にこれらの用語の定義は無いのです。あるのは「信託」とはなにかということだけです。

一般的な考え方としては、信託銀行などの受託者が営業で行う信託を商事信託と呼んでいて、それ以外、つまり受託者が非営業で行う信託を民事信託とされています。
その民事信託の中でも信頼できる家族が受託者となる仕組みである家族型の信託を家族信託と呼んでいます。
実際は民事信託=家族信託というように使われることが多いです。

ちなみに家族信託とは一般社団法人家族信託普及協会の商標です。
家族親族でない方が「業として」信託を引き受ける商品名にこの言葉を使用するなど、一般の方々に誤解を与えてしまう使い方をされないことがその目的。とのことです。

家族信託の登場人物と用語

家族信託とは、高齢者や障害者のための柔軟な財産管理と円満・円滑な資産承継の両方を実現する財産管理の仕組みです。
その主な登場人物と用語は以下の通りです。

①信託契約
主として老親が子に財産の管理と処分を託すためにかわす契約です。

②委託者
財産の所持人であり、管理を託す人(主として老親)

③受託者
託された財産の管理や処分を行う人(主として子)

④受益者
信託財産から経済的利益(家賃収入など)をもらう人。信託財産の実質的なオーナー。

⑤信託財産
管理・処分を託した財産。

⑥信託監督人
受託者の相談にのったり監督するお目付け役。

家族信託の重要な三つのこと

家族信託を理解していただく為に重要な三つのことがあります。

①契約なので認知症になってしまうと家族信託はできない。
家族信託とは信託契約です。「契約」なので契約当事者となる親子が契約の目的や効果を理解していないとできません。
つまり、老親の認知症が進んでいるともはや手遅れとなります。

②管理・処分権は受託者(子)になるけども、託した財産は受益者(親)の財産。
受託者となる子は、あくまでも財産の管理・処分を担うだけであり、管理を託した財産は受益者であり親の財産であることに変わりはないのです。

③信託財産から得た収入は受益者の収入
アパートの家賃等の信託財産から得られる利益は受託者の手元に入ってくるが、契約前と同様、受益者である親の収入ですから、従来通り親が確定申告することになります。

認知症(判断能力が喪失)になって困ること

認知症(判断能力を喪失)すると財産の管理・処分において困ることがあります。

①自らが売主として不動産を売却できなくなります。

②自らが大家としてアパートなどの賃貸借契約ができなくなります。

③自らが預貯金の解約・払出しができなくなります。

前記はいわゆる「認知症による資産凍結」という事態です。

こういった事態を未然に防ぐのが「家族信託であり、事後的に解消するのが「成年後見制度」になると考えられます。

成年後見制度のデメリット

成年後見制度のデメリットの中でも、財産管理の不自由さ以外にもデメリットがあります。

そのデメリットとは「成年後見をやめるタイミングを選べない」ことです。
成年後見は、一度開始すると被後見人が死亡するか、症状が完治するまで続きます。
被後見人の資産内容によっては、被後見人の生涯にわたって成年後見人や成年後見監督人への報酬を払い続けなければならないのです。

職業成年後見人への報酬は、ひと月26万円です。
現在の平均寿命と健康寿命の差が約10年くらいですので、10年間報酬払い続けると考えると総額で240万円~660万円の費用が生じることとなります。
これは大きな負担ではないでしょうか。

家族信託の場合は、信託契約書作成時に専門家に一時的な費用は発生しますが、受託者が家族であるので、その報酬は無報酬が多いのです。(収益不動産を信託財産に入れる場合は報酬を付けることもあります。)

家族信託は任意後見契約との併用を検討する

家族信託のメリットは財産管理の自由度が高いところです。
親が健康で認知症などで判断能力が低下していない段階であれば、任意後見と家族信託の併用m検討してみてはいかがでしょうか。
併用することで家族信託により財産管理・処分面の備えを万全にしつつ、任意後見の「身上監護権」で生活のサポート面もカバーできるからです。

成年後見制度は、認知症になってから利用する制度のため、判断能力があるうちは検討する必要はないでしょう。
成年後見制度では財産の処分に制限がかかってしまうため、財産管理の柔軟性を求めるなら、認知症にならないうちに家族信託契約を結んでおきたいところです。

親の介護や医療が心配⇒任意後見を検討

財産管理の重要性が低い場合で、将来的な親の介護や医療に不安があるなら、任意後見がおすすめといえます。
任意後見は成年後見と違って介護や医療の方向性を親自身が決められますし、任意後見を任せたい人をあらかじめ選べるので安心感も大きいからです。



親の財産管理が必要⇒家族信託を検討

生活のサポートよりも、財産管理や財産の承継について対策をしたいなら、家族信託の利用をおすすめします。
家族信託なら、財産を託す「委託者」と託される「受託者」や家族間の話し合いにより財産管理や処分の方法を決められるため、将来的な希望や不安について、柔軟に対応することが可能です。

家族信託は遺言書との併用を検討する

信託契約で親が保有する財産をもれなく信託財産として託すことは難しかったり、全ての財産を信託財産として託す必要もありません。
相続が発生した際、信託財産から漏れた遺産が必ず発しします。

せっかく家族信託で円満・円滑な財産管理と承継ができても、信託財産以外で、受取人指定のない遺産をめぐって争奪戦が起きてしまったらもったいないですよね。
それを防ぐためにも遺言家族信託の併用を検討してみてはいかがでしょうか。

信託銀行の遺言信託とは

信託銀行の「遺言信託」とはいわば【遺言書信託業務】であり、あくまでも遺言書の作成保管執行のサービス商品名です。

つまり、名前に「信託」とついていても遺言書の執行を目的としたサービスですので、法律上の「信託」ではないということがわかります。

信託銀行は「投資信託」などの資産をプロに託して運用してもらうような商事信託で「信託」を行うことができるところです。
そして信託銀行に託せるのは原則お金であり、不動産は通常託せませんので、老親の多額のお金を運用するなら信託銀行に手数料を払って託すことができます。

遺言書作成のサポートは結局は専門家に依頼している場合もあるようですし、公正証書遺言の保管は公証役場が無償で原本を保管するので、そもそも信託銀行に費用を払って保管を依頼する必要性を感じません。
つまり、亡くなった後に相続の手続きを丸々受注するための仕組みなんだと思います。
そう考えるとランニングコストも安くないと思えてしまいます。


要するに信託銀行の「遺言信託」とは、財産の管理・処分は行う契約ではない為、家族信託とは全く違うものです。

信託監督人

家族信託は信頼できる家族に財産を託すということが大前提となりますが、受託者が長期的にきちんと管理しているか見守る役目を置くことができます。

この役目のことを「信託監督人」といいます。

信託監督人を置くことで財産管理に直接関与しない受託者以外の家族も安心してもらえますし、受託者の不安や迷いが出てきたときの相談相手という役目も担います。

では信託監督人は誰にすべきか?

例えば、受託者を兄、信託監督人を弟とした場合、兄弟げんかを誘発してしまったり、法的知識に乏しい一般人同士で協議しても妙案が出ない可能性もあります。

結論を申し上げると、
客観的な第三者がベターであり、
家族信託の実務に精通した専門家がベスト

そして「信託監督人」は受託者と対立する立場ではなく、相談相手として寄り添う見方なのです。

「信託監督人」の役割

①受託者の業務内容をチェックする
信託目的に沿った財産管理や財産給付ができているか定期的に確認。

②重要な判断に関する同意やアドバイス
信託不動産の売却や建て替えなど重要な財産の処分をするときに、客観的にその必要性や妥当性を検討し、同意不同意を判断することで、受託者の暴走や悪質な業者に騙されることを防ぐことになります。

③契約変更や想定外の事態に対応
契約内容を変更する場合に受託者と協議したり受託者が欠けることとなった場合に新受託者を指名するなど想定外事項が発生した場合に客観的に対応する。

家族信託に関する税務

家族信託の信託契約作成時は委託者(親)=受益者(親)、受託者(子)というパターンが多いです。

税務に関しては従来の所有権と同じと考えれば大丈夫です。

例えば、

①信託開始時(委託者=受益者の場合)
信託設定時に「委託者受益者」とする場合は、贈与税や不動産取得税は発生しません。

②信託期間中(受益者が変わる場合)

㋐固定資産税や賃貸収入にかかる所得税は、受益者が負担
㋑受益者が生存中に、別の受益者に変更した(受益権が他者に移った)場合、「みなし贈与」として贈与税の課税の対象
㋒受益者の死亡により別の受益者に変更した(受益権が他者に移った)場合、「みなし相続」として相続税の課税の対象

③信託終了時

㋐信託終了時の受益者=残った財産の帰属権利者の場合、課税なし
㋑信託終了時の受益者≠残った財産の帰属権利者の場合、信託終了の原因に応じて贈与税または相続税の課税対象となる

信託した不動産と登記簿

信託財産に不動産が入ることは多く、その際には信託登記が必要になります。

では信託された不動産にはどのようなことが記載されるのでしょうか?

まず、登記簿には表題部・権利部甲区・権利部乙区というもので構成されています。

表題部⇒不動産を特定する内容が記載されています。

権利部甲区⇒所有権に関する事項が記載されます。(所有者が誰であるかなど)

権利部乙区⇒所有権以外の権利に関する事項が記載されます。(金銭を借り入れたときの抵当権など)

信託登記がなされると ⇓ ⇓ ⇓

①権利部甲区の所有者が委託者から受託者に移転することになります。
権利者その他の事項欄に所有権移転の原因は「信託」、受託者は「受託者の住所・氏名」が記載されます。登記の目的に「信託」と記載され信託目録の番号も記載されます。

②信託目録が追記されます。
 信託目録の記載内容は、

ア)委託者に関する事項
従来の所有者(親)の住所・氏名が記載されます。

イ)受託者に関する事項
受託者(子)の住所・氏名が記載されます。

ウ)受益者に関する事項
受益者(親)の住所・氏名が記載されます。
委託者=受益者の場合は、贈与税も不動産取得税も課税されません。

エ)信託条項
信託条項には更に下記事項が記載されます。

Ⓐ信託の目的
何のためにこの信託が設定されているかが記載されます。

Ⓑ信託財産の管理方法
受託者の権限が記載されます。

Ⓒ信託の終了事由
この信託がいつまで継続するかが記載されます。

信託口口座と信託専用口座

将来の預金凍結に備えた金銭の管理で現金を信託財産にすることが多いのですが、その現金を管理する方法はどのような方法なのでしょうか?

信託財産に預金は入れられませんので預金通帳の口座名義人を変えて信託財産に入れることはできません。

ですから、一旦委託者の口座から信託する現金を引き出して信託口口座あるいは信託専用口座に入金して管理します。

信託口口座とは
口座名義人が「委託者〇〇信託受託者□□」・「〇〇受託者□□信託口」という口座で、銀行印の届出は受託者(子)となっているが、預金は受益者(親)の財産であることが口座名義上も明確となる。

信託専用口座とは
子が信託財産管理用に新規で作成した、子名義の個人口座。対外的には信託財産を管理する口座であることは分からない。そのため、法律上・税務上問題が生じないように、信託契約書の中で口座番号まで明記します。
また、受託者の個人名義の口座なので、受託者が先に亡くなった時など口座の凍結などの問題が生じるので信託契約書に口座番号まで明記しておくことは大切です。

現実的には「信託口口座」の作成に応じてくれる金融機関はまだ多くはありません。
また、信託契約書作成時に信託口口座を開設してくれる金融機関との内容打合せが必須になります。

賃貸アパートを信託財産とする場合の注意点

賃貸アパートなどの収益不動産を信託財産にする場合の注意点をいくつか挙げておきます。

①信託財産の管理用口座に家賃などの振込先を変更する

②賃貸借契約の新規・更新・解除・滞納請求は全て「受託者 〇〇〇」という肩書付きで署名・押印の対応をする。

③火災保険・地震保険の保険契約者の変更手続きをする必要があるか、損害保険会社または代理店に確認が必要。

④敷金の返還や修繕費など賃貸管理に必要なお金は受託者に託しておく。

特に①は賃貸管理会社に管理を委託している場合は賃貸管理会社だけに家賃の振込口座変更を通知すればたりますが、賃借人から直接家賃をもらっている場合は、賃借人全員に家賃の振込口座の変更を通知しなければなりません。

受託者が借金してアパート建築

例えば長男が受託者となり、委託者である父から土地と現金を託された場合です。
相続税対策と資産の有効活用のため賃貸アパートを建てたいのだけれでも、建築資金が足りない場合どうしましょう。

家族信託は、受託者の長男は信託財産であると地上に信託財産となる建物を建てることができ、そのための資金を借り入れることができます。

では、その借金は誰の借金になるのでしょうか。

この借金の返済義務者は受託者である長男さんになります。
ただ、返済は信託財産たるアパートの家賃収入から行います。
万一、返済できなくなったら信託財産の他、長男さんの個人資産から返済することになります。
受託者として借入するなら、その覚悟必要ですね。

でも受託者として借金してアパートを建てるメリットは何でしょうか。

受託者が借入して建てたアパートは信託財産となり、実質的にはお父さんの財産です。そのための借入債務も実質的にはお父さんの債務です。
ですから、お父さんが亡くなった際には相続税の計算ではマイナス資産として扱える、いわゆる「債務控除」ができるわけです。

この手法は、不動産コンサルティングで土地の有効活用で収益不動産を建築する際に家族信託を設定するのと同じです。
収益不動産を建築するには1年以上時間を要します。その間、お父さんが認知症になってしまうと中途半端なところで事業がストップする可能性が出てきます。
お父さんが高齢だったりする場合は、家族信託を設定してコンサルティングの事業を執行することがあります。

受託者が先に亡くなるリスクを考える

人は老いも若きも誰がいつ亡くなるのかなんてわかりません。

家族信託では子が受託者になる場合が多いですが、子が親より早くなくなることもあります。
そんなときの為に、実務上では「第2受託者」をあらかじめ契約書に記載し、万一に備えておきます。

受託者が先に亡くなるリスクに備える方法は、他にもあります。
例えば、受託者自体を法人にして管理を託す方法です。
法人なら長期的に受託者が確保されますし、信託専用口座の預金凍結リスクもありません。
ただし、デメリットもあります。
①法人税申告等の手間とコスト
②合議制ゆえの意思決定の遅さ
③構成員の承継の問題
です。安易に法人を受託者にすると、あとで苦労することもあり得ますので、検討を要します。

中小企業の経営に家族信託を活用

中小企業の大株主である親が倒れたり、認知症になったら、大株主が議決権を行使できない状態になってしまい、会社は株主総会が開催できず、決算承認や役員の改選等もできなくなって会社の経営がストップするリスクがあります。

そんな時のために株式を信託財産として子に託すことにより会社の経営ストップのリスクを回避できたりします。

また、株式は信託財産として受託者である後継者の子に信託したけど、親が元気なうちは自分で経営をし、認知症などになった時に後継者の子に経営を引継げるように、指図権を活用して会社経営における認知症対策もできます。
株式を経営権と財産権に分けて考えているわけです。
信託契約の形は自益信託になりますが、指図権でお父さんが元気なうちは経営権に関与できる仕組みです。
自益信託とは
委託者(親)=受者(親)者が後継者である子という信託契約です。

他にも株を生前贈与しても経営権を手元に残しておきたいと考える親は多いようです。
この場合「自己信託」が効果的です。
これにより、経営権は親、株の財産的価値は生前に子に渡すという分離ができます。
株式の評価額が低い時に株式の贈与を行いたい場合にも有効です。

自己信託とは
委託者(親)=受者(親)者が後継者である子という信託です。
委託者≠受益者になるので贈与税の課税対象ですが、生前贈与を考えていたのであれば有効です。

信託契約書は公正証書で作成

家族信託の信託契約書は公正証書で作成します。
例外的に緊急を要する場合などは私文書(公正証書ではない)で作成することもありますが、それ以外は公正証書で作成をお願いしています。

公正証書であれば、公証人による意思確認がなされること信託契約書を紛失・破損しても再発行が可能なこと偽造・変造を防止できることといった観点からも公正証書で作成することを原則としています。

公証役場での公正証書作成までの流れは

①信託契約書案が確定した段階で下記のものを公証役場に提出
 □信託契約書案
 □契約当事者に関する戸籍謄本・印鑑証明書
 □信託財産に関する資料

②公正証書の体裁に整えた案文を公証役場からもらう(①から約2週間くらい掛かります)

③家族会議の中で修正・訂正

④予約した日時で公正証書作成

①~④までで、2週間から4週間かかります。





家族信託導入後のTo Doリスト

家族信託は導入後に行わなうべきことがあります。
それをTo Doリストにしてみました。

お問い合せ



電話: 050-3627-0098お問合せ専用小野瀬行政書士事務所
営業時間: 9:30~18:30(当サイトからのお問い合せは24h対応
休日: 水曜日
運営: 小野瀬行政書士事務所



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